ここ数ヶ月の難しかった麻酔管理|今治市大新田町にある動物病院|犬、猫、ペットのトラブル

あいけんペットクリニック

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ここ数ヶ月の難しかった麻酔管理

麻酔外科学会の抄録が届いた。

麻酔管理の報告がチラホラ。

 

「ウチは麻酔事故は無い」っていう先生はいるけど……

事故か不可抗力だったかの判定はする必要はなく……

はっきりいって、

ヒューマンエラーがなかったか分析する姿勢が欠如した発言としか思えない…

それか麻酔の適応をかなりしぼっているか…。

 

 

当院の難しかった麻酔管理

◇一歳未満ネコの避妊手術◇

MMB(メデトミジン×ミダゾラム×ブトルファノール)カクテル~セボフルランマスク導入後……

SpO2がとれない……。

血圧取れてる、可視粘膜の色良好、

だけどSpO2がとれない……。

心臓のエコーみてみると…肥大している……

とりあえず覚醒。

後日、

ドパミン2μg/kg/minとドブタミン2.6μg/kg/minの持続点滴を5~10分くらいしてから

プロポフォールでゆっくり導入……。

とくに問題なく麻酔処置を完了。

課題:留置をとりましょう……

でも、若齢で保定がいやだなぁと思ってしまうネコさんはMMBカクテルが便利であるのも事実…。

 

◇目の下がもっこり腫れてきた高齢わんちゃんのストローバイオプシー◇

シャイな子だったので…

メデトミジン0.5μg/kgでのMMBを飼い主様が居る段階で後肢からIV

スタッフの安全を十分確保してから前肢に留置を確保……。(←これとても大切)

プロポフォールゆーくりIVしながら口の中除くと……

咽頭が赤黒くてカチカチ……

4.0の気管チューブも挿入できない…………

オザワ式のスタイレット(ただのPPカテーテルですが…)利用しても挿入できない…

このサイズのラリンジアルマスクもなく………

とりあえず予定していたストローバイオプシーは時間かからないので…

そのままさっと処置して覚醒。殺さずにすみました……。

問診で既往歴はしつこく聞きますが……

声帯除去していたようです……。

声帯除去はミニマムに膜の部分だけさっと切るのがお勧めです…。やりすぎ注意。

 

◇高齢犬の臼歯抜歯◇

術前の評価でなにもなくても…

導入後…

SpO2かなり低い…。

もともとの点滴は500mlにフェンタニルもドパミンもオールインワンにしてしまってたので……流量変えず。

50mlシリンジにドブタミン0.8ml入れて流してみる…

(心臓の前方拍出足りてないと思われる場合のウチのやりかた)

すくなめだと全然反応なくて10μg/kg/minで普通にSpO2取れ始めて、そっから下げていった。

臼歯抜歯は時間かかるけど無事に終了。

麻酔医として執刀医とは別に動ける獣医が居ない場合は焦りますが…

どのように薬液を調合するか具体的に紙に書いて手術室に貼っておくことがとても重要。

 

◇クッシング体形だけどエコーで副腎は大きくない高齢ヨーキーの乳腺両側全的◇

減張切開をもちいて閉創しても……

完全自発呼吸下での胸腔の拡張が不完全で……

人工呼吸からの離脱にかなり苦労しました。

12時間……汗

体形的に無理がありそうな場合は両側全的は避けましょう(汗

体形で閉創しにくいとか関係なくやはりアザラシ体形の子の胸腔が相対的に小さい子の麻酔は、

浅速呼吸になるリスクがあると考えておいた方が良いので……

さらに浅速呼吸になりそうなリスク因子は避けるべきでしょう(この場合はキツイ閉創)

 

◇反復帝王切開のフレブルなどの短頭種◇

ドパミンやドブタミンでは改善が期待できない低血圧やSpO2の低下……。

デキサメタゾンをIVしましょう。

フレブルは5~7回くらい帝王切開する子はざらに居ます。

ラテックスなどによるアナフィラキシーが考えられます。

これ…

恥ずかしながら…

知識として無くて…

対処が遅れると……

脳への血流量が増える反応により脳浮腫が起こっていると考えられます。

術後、低酸素に反応してからか、はたまた脳浮腫による呼吸中枢障害からか…

浅速呼吸からもとに戻せず…

いままで2頭殺してしまいました。

(当院での帝王切開死亡率2%くらい)

正確に把握しておりませんが…

それ以外の麻酔に比べて…

かなりの高い死亡率といえます。

県病院か愛大病院に紹介したいです……(苦)(汗)

 

なんだかよくわからないけど死にましたっていうのは、

麻酔医として成長が無いので、

あえて、殺したという表現します。

麻酔下にある動物は、だれかの意思で寝かされています。

寝かした人がコントロールする必要があって、

その人の足りないところがあると簡単に死んでしまいます。

 

 

逃げてしまうのは簡単ですが…

日々精進していく事が宿命だと考えております。

 

麻酔がかけれないと言われた方は是非ご相談下さい。

もちろん殺してしまう可能性もありますが。

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